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膝痛について①
腰痛と膝痛はとても関連が深い。
この場合の膝痛は、原因がはっきりしないものをいう。
整形外科を受診した結果、半月板の遊離・骨棘・靭帯断裂などがなく単に「すりへっていますね」
つまり加齢現象による運動器障害の三大症状の一つである膝痛のことだ。
カイロプラクティックでは関節を重視する。
なぜなら関節障害は神経圧迫を引き起こす可能性が高いからだ。
それは脊柱の関節のことである。
四肢の関節は内部に神経が通っていないため主として運動障害の意味で重視される。
その意味では、膝関節は痛みが生じれば日常生活に多大な不便が生じるとても重要な関節である。
神経学的には膝の神経支配は下部腰椎である。
構造力学的には、仙腸関節と股関節が密接に連動し、股関節と膝関節が密接に連動する。
日常において股関節を動かさずに膝関節を動かす動きはほとんどない。
つねに連動して動くのが股関節と膝関節である。
股関節は臼蓋不全以外は症状が出にくい箇所である。
骨盤(お尻)の強力なボリューム感のある筋肉はほとんど股関節の動きのためにあり、結果的に保護している。
また臼蓋が深く、安定している。
膝関節は症状が比較的に出やすい。
膝は「症状のない股関節」の影響を直接的もしくは間接的に受けて症状を発現する。
ここで膝の構造を見てみよう。
膝には関節が三つある。
・大腿脛骨関節
・脛腓関節
・膝蓋大腿関節
狭義の膝関節は大腿脛骨関節であるが施術者にとって最初に重視するのは膝蓋大腿関節である。
言葉の問題で重箱の隅をほじくるようだが、「膝蓋大腿関節」では不十分で「膝蓋脛骨関節」の要素もある。
膝は前後の動きには強いが左右の動きには弱い。
足首の関節もそうである。
アキレス腱断裂の予防として大事な点である膝蓋骨は膝関節の過伸展を防ぐ壁でもある。
膝蓋骨は骨盤が起始の大腿四頭筋に縫い付けられている状態で存在している。
外側直筋と内側直筋のバランスの崩れが即膝蓋関節の不調につながる。
もし膝蓋骨が無ければ、二足歩行のさい衝撃に弱くなる。
外側にある腸脛靭帯は膝の直立を保持をする働きをする。
腸脛靭帯は強力な中臀筋や大腿筋膜張筋とつながる靭帯である。
人間にのみ腸脛靭帯があり人間のみ二足歩行ができる。
内側には決して強いとは言えない内転筋群がある。
膝は構造的に外側と内側のパワーバランスが崩れやすい。
パワーバランスが崩れた状態が持続すると膝蓋骨の可動性が減少する。
すると膝への運動ストレスが増して膝下リンパ節が腫脹する。
その状態を放置すれば大腿脛骨関節へのストレスがさらに増して、結果的に半月板が「すりへっていく」